3月7日(日)、第2回目の開催となったこの日は、前日から断続的に降り続く冬の雨に見舞われた。おまけに風が相当に強い。大会前日の朝、本コース最大の難所である「黄和田隋道」上のガレ場の下り坂にネットフェンスの設置作業を前に、危険回避のためやむを得ずコースを迂回路に変更することとなった。
設営作業中も相当量の雨が降り、一時は大会の開催も危ぶまれたが何とかコースを整備し、一部ルート変更となったが予定通り開催することを決定した。
大会当日の朝7時の気温は5℃。それでも参加者たちは続々とスタート会場の養老渓谷駅前に集合してきた。天候が気になるのかすこし不安そうな表情の人もいるが、“こういうコンディションのほうが燃えるんだ―!”と、連れの仲間に興奮気味に話しかけるランナーもいる。
参加者はトレイルランをはじめて間もない人が多く見受けられ、ウエアや装備もさまざま。防寒、防雨対策を入念にしてレースに臨むよう会場内では再三のアナウンスが流れるが、それでも装備不足のランナーが目立つ。参加者の安全確保のためスタート前に急遽、関門ポイントと制限時間を前倒しすることを決め、いよいよレースがスタートした。
コースは養老川に架かる赤い宝衛橋を基点に、紅葉の名所として有名な梅ヶ瀬渓谷沿いのルートを川をクロスしながら進み、大福山を登る山道からしばらく林道を走る。スタートしてから約8,5km地点、コースはいよいよ本格的なトレイルに入るが、今回は難所の「黄和田隧道」上のコースを回避し一般国道に一度下りるルートを取った。この時点でスタートから2時間を経過したランナーは、レース続行に大きなリスクを伴うため、安全を最優先してやむなく回収車にてゴール地点へ向かうこととなった。
関門をクリアーしたランナーは、その後中間地点の石尊山を目指し、コース後半のぬかるんだ細い尾根道を慎重に走る。「南関東最後の原生林」といわれる東京大学演習林や隣接する深い森のルートをしばらく行くとコースはようやく原生林を抜け、アジサイ園で有名な「麻綿原」に到着。天気がいい日は前方に太平洋の海原が一望できるが、この日は黙々と風雨に耐える厳しいレースとなった。最後の力を振り絞り駆け下りると見えてくる山門をくぐり、1200年の歴史を誇る日蓮宗の大本山「清澄寺」境内に設けられたフィニッシュゲートでゴール。今回は310名が出走し、うち205名が無事完走を果たした。
ゴール後に2名が低体温症で治療を受けたが、しばらくして回復し無事帰路に着いた。防寒対策と適切な装備がいかに大切かを知らされる大会であったが、今後アウトドアでのスポーツが益々盛んになるに伴い、自然に対する知識と十分な対応力を身につける必要性を強く感じる大会でもあった。